比喩ログ

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【フットボール戦記】高校サッカー選手権ファイナル / 東福岡vs国学院久我山

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赤い彗星こと東福岡が5-0と圧倒的なスコアで17大会ぶり3度目の優勝!全国高校総体との2冠達成!
 
 
試合のハイライトはこちら。

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いやぁ、強かった。90分間圧倒したという印象の東福岡。母校の躍進は心から嬉しい。

 

2点目のトリックプレーや圧倒的な攻撃力が話題になっているけど、個人的にはディフェンス面、特に前線からのプレッシングが印象に残った。ボールを奪われた瞬間のプレスは、ドルトムントばりに強烈な印象。何なら今期のチェルシーよりも鋭いプレスだった。前半から激しく行ってたから後半は少し落ちるかなぁ〜なんて思いながら観てたけど、全く落ちるどころかスコアに大差ができた後でも走り続けていた。ファイナル前日の報道によると、準決勝と決勝の中日に軽めのトレーニングではなく、激しくトレーニングをしていたという情報が出ていた。只でさえ厳しい日程を勝ち抜いて来たのに、中日まで激しく追い込むのがコンディション調整に重きを置かない”古いスタイル”の様に思えるけど、それでも最後まで走り切るんだから、指揮官の森重イズムは今年のチームにフィットしたんだろうなぁと想像する。

 

ここまで鬼の様に走らせるスタイルで選手を鼓舞できたのは、新チームに入れ替わった際に「史上最弱のチーム」と選手達に告げたことが要因ではないだろうか。一度プライドをへし折る経験が活きたのではないかと思う。東福岡のサッカー部員ともなれば中学時代は地元で有名選手という部員が殆ど。中学時代に県代表の10番を背負った経験があっても東福岡のレギュラーになれないなんてことはザラ。少なからずどの世代でもプライドがある。スタープレイヤーとして育った選手たちは、鬼の様に走らせるスタイルに対して不満を持っても不思議じゃない。だからこそ新チーム始動のタイミングで選手たちに「史上最弱のチーム」という認識を持たせたことが、始動方針にマッチしたのかもしれない。

 

部員数280人は全国最多。最早単なる部活動ではない。ゲームを観ていて勝ちを目指すプロ組織みたいなもんだと思った。特に試合終盤の森重監督の采配が気になった。明らかに優勝を手中に収めた後に、途中交代で投入した3選手の内、2人が2年生のプレイヤー。一般的な部活動ならば、ゲームの行方は決まっているし、3年生にとっては最後のゲームだからベンチ入りした3年生を起用するのが常ではないだろうか。高校サッカーだけでなく高校野球高校ラグビー高校バレーでも何でもそうだと思うが、東福岡率いる森重監督は来季のチームへの投資を選んだ。部員280人の内、3年生が何人いるかは知りませんがスタンドから応援していた選手だけでなく、ベンチから出場を望んだ選手達がいることを思うとピッチに立っている11人は最高に幸せだったでしょう。

 

森重監督がチームを評して、「For The Team」の視点では史上最強のチーム とコメントしていた。史上最弱と言われたチームのキャプテンを務めた中村選手にとっては最高の褒め言葉だろうな。

 

赤い彗星東福岡高校、おめでとう!

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