【フットボール戦記】格下マンチェスターユナイテッドによるジャイアントキリング

クロップ初のナショナルダービー@アンフィールド。クロップがいつもの通り試合前に相手監督と談笑するシーン、フィル・ジョーンズがサポートと一緒に応援するシーン、フィルミーノの意外性のあるターンやパス、モレノのガッツ、意外と上手いサコーのフィード、個が印象に残るマルシャル、やっぱり決めるぜルーニーなどなど。見所は沢山あったけど、やっぱりこのゲームはデヘアがもたらしたユナイテッドの勝利という印象が強烈だった。
リヴァプールによる前線からの激しいゲーゲンプレスは、完全にクロップ・ドルトムントを思い起こすもので、激しく情熱的で魅力的なサッカーだ。90分間殆どの時間帯でユナイテッドディフェンス陣はタジタジだったように思う。ユナイテッドが首の皮一枚繋がっていたのは間違いなくダビド・デヘアの貢献によるものだ。エムレ・チャンの1対1のセービングなど目立つ場面もさることながら、リヴァプールの猛烈なプレッシングに屈したユナイテッドディフェンス陣の慌てふためいた粗いバックパスの数々を見事な足下の技術で跳ね返してきた。これが違うゴールキーパーであればミスキックなどでより、劣勢に転じていたことは想像に難くない。
デヘアに救われていたユナイテッドは、オフェンス陣も可能性を感じるのはマルシャルぐらい。結果ルーニーが決勝点を決めたが、試合運び運び「格下によるジャイアントキリング」そのもの。
サーアレッスク時代のユナイテッドにもゲームの内容が悪くともなんとか終盤で勝点3をもぎとる「勝負強さ」みたいなものはあった。しかし今回の勝利は「勝負強さ」というよりも「番狂わせ」にしか見えなかった。