【比喩 Vol.23】既に忘れ去られたラファ・マドリー
ラファエル・ベニテス。通称ラファ。
監督キャリアは、バレンシア就任1年目でのリーガ制覇、その後リーガ・UEFAカップの2冠の実績を作り、プレミアリーグのリヴァプールFCに移籍。イスタンブールの奇跡と言われるACミランとのファイナルで勝利を収め、ビッグイヤーを獲得。この鮮烈な印象からベニテスと言えばリヴァプールというイメージを持つ人が多いと思う。僕もそう。
★イスタンブールの奇跡についてはコチラ
彼はその後、インテル、チェルシー、ナポリ、レアルマドリーとビッグクラブを歴任するも大きなインパクトを残すに至っていない。彼のクラブチョイスで一番疑問だったのはインテルへの就任。あの時は前年にラファのライバルであるモウリーニョが3冠に導いたクラブだった。これ以上高いハードルは無いだろうに就任して間もなく歯車が狂って解任。素人目からでも誰が監督したって上手くいくことは無さそうに見えた。その後、ナポリで惜しい結果を残してからのレアルマドリー就任。
全く成功の香りがしない監督就任。モウリーニョやアンチェロッティのアシスタントを務めたクラブレジェンドのジダンが就任するのはないかという見方が大半だった中、ヴィジュアルもカリスマ性もイマイチなラファ就任だった。結果、数ヶ月でフロレンティーノ・ペレスから解任され、ジダンマドリーが誕生した。現在、ジダンマドリーはラファ時代を忘れさせるような躍進ぶり。フレッシュな監督のもと、好印象なゲームを繰り広げているのは周知の通り。
そんな忘れ去られた短いラファ政権について、元会長のラモン・カルデロンが残した印象的な 比喩表現を紹介します。
『マドリーでのスタートから、ベニテスはすでに歩く死体のようなものだった』
正に、誰からも見ても歩く死体のようだったラファ・ベニテス。かつては、リヴァプールを率い欧州の頂点に立つだけでなく、ライバル・モウリーニョと過激な舌戦でメディアを盛り上げた彼の次の舞台はどこになるのかな。是非プレミアに。おもしろい監督はみんなしてプレミアに来よう。期待しています。