比喩ログ

会話にオリジナリティを出す為に残した「比喩ログ」を紹介します。

【企画】マツコと有吉を気持ちよく躍らせる放送作家への賞賛

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毎週録画で観ているバラエティ番組。マツコと有吉の切り口がおもしろいし、そこに注目しがちだけど、番組のスタッフが優秀だなぁと思うときがよくある。

特に、スタッフがマツコと有吉という演者をよく理解しているんだろうなぁと思う。二人の活かし方みたいなところがすごい上手い。特に先日の放送で感じました。

 

それは、「新居に引っ越したけど 挨拶回りはどこまでするべき?」という視聴者からのお怒りメールついてトーク。

この質問に対して、よく言うのは向こう三軒両隣だけど、番組スタッフは、想定の家の区画を下に、考えてみようという番組の構成になった。

 

その区画の絵がコチラ。

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 もうね、コレを観た瞬間に、アッ!!!と思いました。

こんなもんね、マツコと有吉が最も輝ける設定である!この二人が気持ちよく羽を伸ばしてトークを展開できるお題だ。近所付き合いという人間関係、空想トーク、お互いで架空のトークを盛り上げていくのが得意な二人にとっては超ド級のホームランボール。

僕はこの演者二人を気持ち良く躍らせるステージを作った放送作家さんを賞賛したい。

 

案の定、盛り上がりました。以下参照

 

「それだけじゃやダメ」と2人で話が広がっていくのですが・・・

庭でギャーギャー騒いでいるのに、挨拶に来ないわねって、4・5辺りの人はなるよ。

4・5行ったら3も行かなきゃ、3・4・5は同じ間取りの建売住宅。4・5の家には行ったけどうちには来なかったってなるから、3には行かなきゃダメ。4と3は仲がいい。

14は大地主。地主だからうるさいよ。この辺の土地は元々14の土地だから。

そうなると、1と23も。1と23は権力者だから。あと8も。

14は挨拶行かないと、公園を使わせてもらえないよ。それだとしたら、13も行かないとね。

すると、16と25も何でうちには来ないんだとなるから、16と25も行かなきゃいけない。

1に行ったのに、なんで7には来ないんだとなるから、7も行かなきゃいけない。すると9がすねるから、9も行かなきゃ。そうなったら10も11も行かなきゃ。

妄想の設定からあれこれ話が飛躍して、「結局、全部じゃねーか!」と突っ込みたくなるトークの末、最終的には、「向こう三軒両隣」に加え、悩んだところは行ったほうがいいという答えに落ち着くというサゲです。

もちろん、おもしろい演者二人による功績が大きいけれど、僕はこの演者二人を気持ち良く躍らせるステージを作った放送作家さんを賞賛したい。

 

【書評】浅田次郎 プリズンホテル【1】夏

プリズンホテルを読んだ。初めての浅田作品。

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かれこれ10年以上、小説をちょこちょこ読んでる癖に読まず嫌いしていた作家さんです。本屋に行ったら作家順に陳列されている本棚で、最も記憶に残る【あ】の部分で幅を利かせている作家さん。勝手に、年配の小難しいミステリーでも書いてる小説で、ユーモアもロマンも色恋も少ない作風なんだろうなぁと決めつけてた。

 

浅田先生、すみませんでした。

 

プリズンホテル【1】夏 を読んだ。

ヤクザの親分が経営する『奥湯元あじさいホテル』、通称『プリズンホテル』という任侠団体専用ホテルを舞台に、売れっ子小説家、離婚を切り出そうとしている妻とその夫、一家心中をしに来た家族、左遷続きの熱血ホテル支配人と天才シェフが登場し、いろんな事件が起こるという設定。
 
様々な方の書評レビューを見ていると、特にホテル経営者の仲蔵親分に関する賞賛が多く見受けられる。ストーリーの構成上、王道ではある。一見悪役に見える男《この場合ではヤクザである仲蔵親分》が、実はかなり人間味のある良い奴で、最初は誤解を受けながらも、徐々に他登場人物や読者を虜にしていくという構成だ。この構成自体は王道なんだけども、何と言っても読者の心を魅了するためには、その登場人物の描写、愛着あるキャラクターに育てていくための表現能力が大きく問われる。その点、この作品はバッチリ読者の気持ちをさらっていってくれます。流石は浅田先生!
 
一方で売れっ子小説家・木戸孝之介というキャラクターに関する評価は思ったよりも高くない。コレは個人的には意外だ。彼は仲蔵親分の身内でもあるんですが、幼少期に母親と生き別れた経験からか偏屈な人間に育っている。継母や恋人に対する容赦ない暴力や傍若無人な立ち居振る舞いに辟易する読者が多い様。確かに、ここ最近の映画やドラマでは倫理的にNGになってしまいそうな描写が多くあった。でも、小説ってソコが良いんじゃないの?と僕は言いたい。ねじ曲がった人間像、とても世間には出せない様な人間性がアウトプットができる場だからこそ小説という活字のメディアは良いんだと改めて思った。人間のエグい部分を見せないオブラートに包まらたNon刺激なコンテンツばっかりに触れてもしゃーない。
 
 
そんな木戸孝之介にまつわる描写で気になった部分をピックアップ。
 

クリエイティブな経緯を楽しむよりも、結果としてのオブジェを夢見るタイプの不順な作家であるぼくは、ほとんど狂気した。 

相手がいっけん屈強なハードボイルドであることは気になったが、そういうヤツに限って根はナヨナヨの土佐日記であると決まっている。クリイティブなパワーの根源は、変身願望なのである。几帳面なぼくはいいかげんな与太者を好んで書くのも同じ理屈だが。

自分で言うのも何だが、ぼくはそのしぐさを見ながら、こいつは何て男運の悪い女だろうと思った。

清子は春先のバーゲンで買ってやった、暗いウール地のワンピースを着ていた。わざわざそれを着てきたという誠意は評価するが、六月の気候には見ているだけで暑苦しい。

行き先は訊こうとはしなかった。三年間ずっと観察し続けて思ったことだが、この女は意思を表明するということがない。万事なすがまま、である。

それが彼女なりの処せ術だとしたら大きなまちがいで、弱肉強食の世の中では、周囲の悪意を一身に背負わされる結果になることは自明だ。人生ただ一生懸命やたって良くなるわけはない、というお手本である。 

 

「わぁ、きれい。モミジがいっぱい見えるから、モミジの間なんですね。」ぼくは南部鉄の四角い灰皿で清子の頭をゴキリと殴った。手かげんしたつもりだったが、変によけたものだから角がモロに当たって額が少し切れた。アッと声を上げて、清子は藤椅子にうつぶした。「あのなあ。俺ん前できれいだのきたねえだの言うのはやめろ。興ざめしちまうじゃないか。おまえはモミジみたいに黙ってりゃいいんだ。」

清子と付き合い始めた三年になるが、ぼくはその間、清子を清子だと思って抱いたことがただの一度もない。いつも書きかけの原稿に登場する女の誰かだと信じて抱くのである。当然、ぼくも登場人物になりきる。

ということは、ぼくと清子のセックスは四十八手どころか無限のシチュエーションが存在するわけで、ある時は、「このアマ、おとなしうせんかい!ほれみい、体はイヤとは言うとらんで」などと喝しながら、鼻血の出るほどビンタをくれてレイプする。《略》

こうした華麗なセックスについて、当初は清子もぼくを多重人格者だと思ってアセったようだが、根が床上手のスキモノだから、すぐにこのノリにハモるようになった。レイプに際してはころあいの抵抗を示し、涙も忘れず、不倫女房役だと察したときは「おねがい、ね、ねっ一度だけ、ここよ、ここ」なんて口走ったりするのである。

そんな具合で、頭は悪いが勘はいたって良い女であるから、ちかごろではいちいち状況説明までする必要はない。

 

 決して、褒められたような言動をしていない木戸孝之介。でもなんだか好きだなぁ。彼に飼われている清子も愛おしい感じ。ヤクザの女をしていた過去があり、ヤクザのリアルを知りたい木戸から近づいてきた関係。清子は女手ひとつで子どもを育てているから、月数十万を木戸から貰って言いなりをしてる。でもいつか、自分の全てを受け入れてくれる男が現れると信じている様。木戸はそれを笑い飛ばすシーンがあるが、それもなんとも残酷。でもそこが良いんじゃないかな。
 
 
プリズンホテルの書評とタイトリングしながらも、殆どが木戸孝之介と清子の内容になってしまった。物語の重要な部分ではあるけど、ほんの一部でしかないし、他シーンはユーモアあり、感動あり、人情味ありのエンターテイメント作品。シリーズ物だから、次の【2】秋編が楽しみ。早速Kindleでポチった。
 
※木戸孝之介という名前は、浅田次郎の売れない時代のペンネームらしい。

 

【比喩 Vol.23】既に忘れ去られたラファ・マドリー

ラファエル・ベニテス。通称ラファ。

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監督キャリアは、バレンシア就任1年目でのリーガ制覇、その後リーガ・UEFAカップの2冠の実績を作り、プレミアリーグリヴァプールFCに移籍。イスタンブールの奇跡と言われるACミランとのファイナルで勝利を収め、ビッグイヤーを獲得。この鮮烈な印象からベニテスと言えばリヴァプールというイメージを持つ人が多いと思う。僕もそう。

 

イスタンブールの奇跡についてはコチラ

soccerdougasyu.com

 

彼はその後、インテルチェルシーナポリレアルマドリーとビッグクラブを歴任するも大きなインパクトを残すに至っていない。彼のクラブチョイスで一番疑問だったのはインテルへの就任。あの時は前年にラファのライバルであるモウリーニョが3冠に導いたクラブだった。これ以上高いハードルは無いだろうに就任して間もなく歯車が狂って解任。素人目からでも誰が監督したって上手くいくことは無さそうに見えた。その後、ナポリで惜しい結果を残してからのレアルマドリー就任。

 

全く成功の香りがしない監督就任。モウリーニョアンチェロッティのアシスタントを務めたクラブレジェンドジダンが就任するのはないかという見方が大半だった中、ヴィジュアルもカリスマ性もイマイチなラファ就任だった。結果、数ヶ月でフロレンティーノ・ペレスから解任され、ジダンマドリーが誕生した。現在、ジダンマドリーはラファ時代を忘れさせるような躍進ぶり。フレッシュな監督のもと、好印象なゲームを繰り広げているのは周知の通り。

 

そんな忘れ去られた短いラファ政権について、元会長のラモン・カルデロンが残した印象的な 比喩表現を紹介します。

 

 

『マドリーでのスタートから、ベニテスはすでに歩く死体のようなものだった』

 

www.goal.com

 

正に、誰からも見ても歩く死体のようだったラファ・ベニテス。かつては、リヴァプールを率い欧州の頂点に立つだけでなく、ライバル・モウリーニョと過激な舌戦でメディアを盛り上げた彼の次の舞台はどこになるのかな。是非プレミアに。おもしろい監督はみんなしてプレミアに来よう。期待しています。

 

【比喩 Vol.22】ドルトムントCEOによるプレミアリーグの例え

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経営破綻寸前だったクラブを立て直した立役者・ハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEO。

 

ブンデスリーガの優勝争い常連であり、香川が所属していることからもドルトムントは日本人にとっても馴染み深いクラブだ。そのドルトムントでCEOを務めるヨアヒム・ヴァツケによる比喩を紹介する。この発言はブンデスリーガのプレイヤーを含めて各国のスタープレイヤーや名将がプレミアリーグに移籍することを受け、”年末年始のプレミアリーグの過密日程”の警鐘を鳴らすための発言で使われた比喩だ。

 

プレミアリーグの選手は、レモンのように絞られる。」

 

確かに年末年始の過密日程や、FAカップカーリングカップの引き分け再試合は地獄のようなスケジュールです。コンディション維持が難しいだけでなく多くのプレイヤーが怪我に悩まされる時期でもあります。プレイヤーの選手生命のためにも過密日程軽減が必要であることは間違いないです。 

zasshi.news.yahoo.co.jp

フォークでスープに立ち向かう様なもの by元オアシス・ノエル 【比喩 Vol.21】

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どうも、フーリガン野崎😎™です。 

今日はOASISのギャラガー兄弟に関する比喩を紹介します。

 

 

この記事の目次▼

 

 

この例えの作者(HYULIST) 

OASISのノエルギャラガー(写真右)が弟のリアムギャラガー(写真左)を評して使った比喩である。

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全文はコチラ。

「失礼で、傲慢で、威圧的で、しかも怠け者だ。あんなに怒ってばかりいるやつも珍しい。まるで世界というスープにフォークで立ち向かおうとしているみたいだ。」

 

 

 

どんな場面で使うの? 

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正直なところ、この発言の趣旨はどういうことなのかイマイチわからない笑

フォークでスープに立ち向かう程、無謀な男という意味?

 

ま、本意は分かりませんが、”無謀”さを例えたとすれば面白い表現です!

フォークでスープはかなり無謀ですからね。

 

では、”無謀さ”を例える比喩を考えるとすれば、

  • 虫カゴで虎を捕獲しようとする様なもの
  • 槍一本で戦場に行く様なもの
  • 裸足でマラソンに出る様なもの

みたいなところでしょうか?

 

 

 

 

終わりに

如何だったでしょうか?

カリスマティックで独創的な表現ですね。

流石、非凡な発想の持ち主であるノエルならではの例えですね。

そしてリアムも何という男なんでしょう笑

 

 

 

 

 

【比喩 Vol.20】10億円の援助を打診されたキャバ嬢への例えツッコミ

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ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!」という番組で、人一倍偏った考えを持つお笑い芸人・ブラマヨ吉田が抱くイメージは“真実”かそれとも“偏見”を検証する企画を展開。今回は「美人経営者」を対象に企画を実施。吉田のおもしろさが前面に出た番組になった。

 

その中で、吉田はパトロン的な存在がいそう」という偏見を発表。ただでさえ美人故に多くの男から言い寄られる存在であるはずなのに、経営者であれば“資金繰り”がどうしても必要になってくることから、パトロンがいるはずであると持論を展開。

 

No.1キャバ醸兼社長の愛沢えみりはパパになりそうな存在がいたことを公表し、「10億円で買収しようか?」と話を持ちかけられたとのエピソードを披露。ブラマヨ吉田のツッコミ。

 

吉田「モノポリーか!」

 

 

モノポリーて懐かしいなぁ~。さすが芸人さん故に良いワードをストックしているものですね。

www.excite.co.jp

【比喩 Vol.19】クロップならサーアレックスファーガソンをどう例える?

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ブレンダン・ロジャースの後任監督として注目を集めるヨルゲン・クロップ。この注目度の高いリヴァプール指揮官にとって最初の“ナショナルダービー”が今週末開催される。

 

この一戦を前に、クロップは過去にファーガソンの後任としてマンチェスターユナイテッドからオファーを受けたと記者会見で明かした。結果的に移籍は実現しなかったが、クロップはファーガソンを以下の様に例えて絶賛した。

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クロップ「おそらくファーガソンは史上最高の監督だ。サッカー界のジョン・レノンだよ」

 

 

news.livedoor.com

 

 

これは最大級の評価であることが誰にでも分かり易く伝わる比喩ですね。でもコレを使う相手は相当限られるでしょう。ちょびっと優れた人を評する際にも使えない。超一級の人に対してのみ使える比喩でしょうね。